「昔は良かった」とは思わない

  よく「昔の方が良かった」「昔に戻りたい」などと言う人がいるが、私はそうは思わない。

今の方が確実に良くなっているし、今の時代に良いことだってたくさんある。

 

  昔は今よりセクハラ、パワハラが酷かったし、それが当たり前だった。男女差別も今より問題にならなかったし、同性愛とか病気とかに対する偏見も酷かったと思う。虐待や体罰も当たり前で理不尽にも黙って耐えるしかなかった。今ではちゃんと声を上げられるようになってきたのはいいことだと思う。

  日本人の社会的な意識や考え方は今の方が良くなっていると思う。人間は進化するものだし、どんどん便利になって、暮らしやすい世の中になっていることは良いことだと思う。

 

  「今はちょっとしたことがすぐ問題になる」とか「監視社会で窮屈だ」とかネット依存とかネットいじめといった問題があったり、「規制が行きすぎて表現の自由がない」というような意見もあるし、確かに今の社会は今の社会で問題も多いけれど、ネット社会になって良い面もあるし、一概に悪いことばかりではないと思う。

 

  「テレビも昔の方が面白かった」「今の音楽は良く分からない」「CDチャートがAKBとジャニーズばっかで今の子はかわいそう」「ドラマも映画も昔の方が面白いものが多かった」

  これについては、私は今のテレビも面白い番組もあると思っているし、今のドラマや映画も素晴らしいものもあるし、音楽は今の時代の方がみんなが自分の好きなジャンルの曲を探せるんじゃないかと思うし、アイドルの曲も昔より面白い曲が多いと思うし、ダンスや魅せるパフォーマンス等はレベルが上がっていると思う。

  私ははっきり言って小室ファミリーよりも星野源とか米津玄師とかの方が好きである。だから今の子はかわいそうとは全然思わない。

 

  しかも今の時代は昔の名作映画も観たいと思えば観れるし、昔の曲も聴きたいと思えば聴くことができる。いい時代だなと思うのである。

 

  でも私が学生時代にスマホがあったらスマホばかりやってしまって大変だったと思う。きっと依存していただろう。スマホがなくて本をたくさん読めたことは良かった。

 

  そもそも私は昔にあまり良い思い出がなく、今の方が楽しいと思うことが多い。だから昔の方が良かったと思わないのかもしれない。

 

  昔の思い出が輝いていて、それが今も残っているという人は素晴らしいと思うし、忘れられないこともいいと思う。自分が一番輝いていた頃のことが一番だと思うのは当然かもしれない。

 

  でも、私たちは今の時代を生きているのに、いつまでも昔の方が良かったというのはとてももったいないことだと思う。

  今の時代でも素晴らしいことはたくさんあるのだ。こんなに素晴らしいことも面白いものもたくさんあるのに、それを享受せずに過去ばかり見ているとしたら、それは今を生きていないということかもしれない。

 

  今の時代だからこそ、今の表現で、今の感性で、素晴らしいものを表現しようとしている人はたくさんいるのだ。それは有名な人ばかりじゃなくても、今はネットで誰でも発信できる時代だし、身の周りに面白いことは溢れている。

 

  もちろん「今の時代について行けない」「新しいものが苦手」という人もいると思うし、昔のものでも素晴らしいものはたくさんあるけど、私たちは「今」を生きているのだ。

  一つの基準でしか見れずに、今までにない面白いものを受け入れられないのはもったいないと思うし、損をしていると感じる。

  別に無理にとは言わないが、どんなものでも楽しもうと思えば楽しいし、文句ばかり言っても楽しくなることはない。

  

   私はいつも今の時代の面白いものを楽しんでいたいなと思う。