「半分、青い。」総評
朝ドラ「半分、青い。」についてはこの前書いたので、それで終わりにしようと思っていたけど、最後の方で相当アンチの批判の声が大きくなったので、いろいろと書きたくなった。
今回アンチは本当にひどく、楽しく見ていた自分は相当なダメージを受けた。
普通のドラマではそんなことはないので、朝ドラというのは熱烈なファンがいるんだなと思った。
「受信料払ってるから」と言うけど、王道の朝ドラが嫌いな人だって受信料は払っている。いろんな人がいてみんなが見ているんだから、いろんなタイプの朝ドラをやった方がいいと思う。
だいぶ放送終了から時間が経ってしまったけど、まとめを書きたい。
鈴愛はよく「共感できない主人公」と言われたが、私は共感するところが多かった。
もちろん彼女のように言いたいことは言えないし、私は周りに合わせてしまうタイプなのだが、本質的には鈴愛みたいなところがあり、憧れがあったのだと思う。
私も鈴愛と同じで田舎出身で、心配性の母がいて、東京で夢を叶えたいと思っていた。
しかし結局夢を諦めて、田舎で就職した。
だから鈴愛の漫画家になるという夢に向かって突き進む行動に、心の奥がヒリヒリした。
しかし鈴愛は漫画家に挫折する。
良くも悪くも話題になった挫折シーンで、鈴愛は叫んだ。
「私は今年で28だ。恋人もいない、結婚もしてない。仕事もどん詰まり。私には何もない!!」
私も30前くらいの頃、同じように思ったことがあった。恋人もいなくて結婚もしていない、仕事もうまく行かず、続けるか辞めるか悩んでいた。
鈴愛は友達のユーコやボクテにも当たり散らす。
批判されたシーンだが、私も友人が結婚したとき、自分と比べてひどく落ち込んだことがある。鈴愛の気持ちは良く分かった。
鈴愛は自分勝手に生きているように見えて、意外と世間の評価にとらわれているのかなと思った。
「この年だったら仕事も独り立ちして結婚してるのが普通なのに自分はそれができていない」ことに対して焦りがあるのかなと。
私も世間で言われる普通のことができなくてずいぶん苦しんで、必死に周りに追いつかなきゃと思っていた。今は自分は自分でいいやとだいぶ思えるようになったけれど。でも、まだ世間の評価に苦しむときはある。
このドラマは「回り道をしても自分らしく生きよう」というテーマがあったと思う。
「七転び八起きで最後にそよ風ファンを発明する」という物語である。
「仕事の描写が雑」という指摘があったが、漫画家の描写を丁寧にやる必要はあるだろうか。
伝えたいテーマは「挫折から立ち上がり、強く生きていくこと」だとしたら、漫画の描写そのものを丁寧にやる必要はないと思う。
今の時代はネットを使えば「おひとりさまメーカー」のようなことは簡単にできる。「人とは違う発想」や「ほかにはない商品」は価値を生む。
働き方も多様化して、1つの会社にずっと勤める時代でもない。
だとしたら試行錯誤しながら自分らしく生きる道を探すことは今の時代に合っているのではないだろうか。だからこそこのドラマはこれだけ高い視聴率を取ったんじゃないかと思う。
このドラマを作ってくれた北川先生、制作スタッフの皆さんには感謝したいと思います。
お疲れさまでした!