SMAPと嵐は全然違う

 嵐はSMAPと比較されることが多い。SMAP ファンの人に「嵐はSMAPになれない」とか「SMAPは別格」などと言われる。(特に解散騒動で嵐は理不尽に叩かれた。前から対立はあったかもしれないが、騒動でひどくなった)

  それに対して嵐ファンが「嵐はもうSMAPを越えてる」「売上は嵐の方が多い」とか言って、それで揉めていることが多いような気がする。

 私は嵐のファンだが、世代的にはSMAPもずっと見てきて好きな歌やドラマもけっこうある。

 この2グループは同じ事務所なので同じようなグループで、嵐はSMAPの後釜だと思っている人もいるかもしれない。

  しかしこの二組は全然違うと私は思う。

 

 SMAPは主にテレビの活躍が大きかった。SMAP×SMAPでコントをやったり、料理をしたり、司会もやったり、アイドルとしては色々と新しいことをしてきた。

 嵐はCDやDVDの売上が高く、音楽面でセールスを伸ばしてきた。

  嵐はよく「代表曲がない」「曲知らない」等と言われるが、正直私にはそれが重要なことだとは思わない。みんなが知っている曲がそれほど大事だと思わない。そもそもみんなが知ってる曲が一曲あったとしても「一発屋」とか言われることもある。ずっと売れ続ける方がすごいと思う。

   みんなが知ってようと知っていまいと良い曲は良いのだ。知らないなら聴いてみればいいだけのことだと思う。音楽ってみんなが全然知らない曲の中に名曲が隠れていることはよくあるから、何でそんなにみんなが知っているか知らないかにこだわるのかさっぱり分からない。

  また、SMAPが売れた時代はCDが売れる時代で、歌番組も多くあった。

 しかし今はCDが売れない時代で、歌番組も数えるほどだ。曲が浸透することは難しい。

 嵐はテレビでの活動も多いが、音楽活動に力を入れていると感じる。

   彼らのCDはカップリングやアルバム曲に挑戦的な曲が入っており、アルバムやDVDの売上が高く、音楽シーンを引っ張ってきた。

 それから高く評価されているのはライブで、松潤が演出を手掛けている。

 アルバムのコンセプトに沿ってライブ空間を作り上げ、一つの世界を作り出している。曲の流れや衣装や演出の一つ一つにまでこだわって作っている。

 それにメンバーが高い集中力と表現力で、ファンを楽しませる。なんだか職人のようだと思う。

 アイドルは(特にジャニーズは)偏見の目で見られ、正当に評価されないことも多い。彼らはその中で活動を続けている。

  SMAPは一般の人に興味を持たせることが上手いが、嵐は一般の人を自分たちの世界に引き込むのが上手いと思う。

  私はジャニーズ自体に詳しくはないので、ほかのグループについてはよく知らないし、嵐はファンなのでよく知っているが、SMAP についてはお茶の間でしか知らない。なのであくまでも私見だが、「SMAP はジャニーズらしくない」「嵐は王道のジャニーズアイドル」とよく言われるのは割と逆だと思っている。良くも悪くも嵐は一般の人には魅力が分かりにくいところがあり、SMAP は話題性を集めるような派手なことをよくしていたと思う。

  この2組について、ファンは比べないでほしいと思うが、世の中の人はどうしても比べてしまうのかもしれない。ただ、この2つのグループは全然違うからこそ良いし、嵐はSMAPと違うからこそトップアイドルになれたと思う。「SMAPと比べてオーラが〜代表曲が〜何々が足りない」と言われるけど、SMAPと同じところを伸ばしてもしょうがないじゃないか。同じグループは2つもいらないのだ。嵐はひとりひとりの名前を覚えてもらうこと、みんなが歌える曲を出すことを目指していない。そもそも同じ事務所といってもほとんど共演がなかったのだから交流はなかったと思う。だからそこまで影響を受けた部分はなかったかもしれない。

 

  嵐は個人個人よりグループであることを大事にしている。個人の名前よりもグループを売っていくことの方が大事なのだ。グループとしてのまとまり、調和を大事にしているのだ。それから身近さや親近感。それは嵐にあってSMAPにないものだと思う。よくSMAPにあって嵐にないものばかり言われるけどそれはフェアじゃない。SMAPは個々の力が強いのに対して嵐はチーム力が強い。2組は真逆だと思う。

 

  嵐にはファンクラブ会員も多く、CDやDVDの売上も多い。それをよくアンチは「嵐はヲタクに人気だから」と言うけど、CDやDVDを買おうと思わせることだってなかなか大変である。いくらテレビで人気があってもCDやDVDの売上が少なければ音楽活動はできない。CDを出すにもライブをやるにもお金がかかるのだ。「ファンに人気なだけ」と言うが、ライブとはそんなに誤魔化しの効く場なのだろうか。ライブに行くのはファンじゃない人も多いし、満足させなければ次からは来ないかもしれない。ファンなら何でも受け入れるという人ばかりじゃないし、イマイチな活動をしていたら冷める人もいるだろう。

 

   バラエティでは親近感や仲の良さを感じさせて、ステージではカッコいい姿でギャップを見せる。それは嵐が目指してきたアイドルの形である。

 

  「SMAPはアイドルとして道を切り開いてきた。ほかのグループはそれに乗っただけ」という意見は「最初にバンド作って売れた奴はすごいけど後から出てきたバンドはそれを真似しただけ。何も努力していない」と言うのと同じくらい暴論だと思う。

 

  嵐の曲は学校の運動会や卒業式で使われていたりする。嵐の曲が町の吹奏楽団で演奏されていたりしてファンの私が驚くときもある。昔SMAPが国民的アイドルだったように今は嵐が国民的アイドルなんだなと感じる。特に若い世代にとってはスターという存在なんだと思う。もちろんすごく年上の人からも人気があって、それが国民的ということだと思う。アンチが言うように「ジャニヲタ」だけしか人気がなければ国民的にはなれないだろう。

 

  これから2組のように国民的アイドルは出てくるのだろうか。スターが生まれにくくなっていると言われている現代で。もうすでに時代は移り変わっている。SMAPは解散し、嵐は休止を控えて、次の段階に入ろうとしている。

  SMAP 世代の人はSMAP を特別視するが、誰だって自分の中のスターは唯一無二だ。SMAP 世代はSMAP がスターだし、嵐世代は嵐がスターである。いつまでも過去に引きずられている場合じゃないのだ。(それにしても解散騒動は色々とひどかった。裏側なんて知りたくもないし、知らせないでほしかった。騒動についてはまたどこかで書くかもしれない)