朝ドラ「半分、青い。」について

朝ドラ「半分、青い。」は賛否が非常に分かれる作品のようで、擁護派と否定派がSNSで攻撃しあったりなどして荒れている。

私はこの朝ドラはけっこう好きで見ていたが、批判されればされるほど応援したくなり、今ではすっかり擁護派になった(あまのじゃくだが)。

批判派としては、主人公の鈴愛が漫画家になったが、挫折して100円ショップで働き始めたり、結婚して離婚したり、何がやりたいのか分からない。

口が悪いし空気が読めない鈴愛の性格が嫌い。

差別的な表現がある。

という感じだろうか。

確かに一般的な朝ドラの主人公は謙虚でいい子で、夢に向かって努力して何かを成し遂げるものなので、この朝ドラは変わってると思うし、好き嫌いが分かれるのも分かる。(脚本の北川悦吏子さんのツイッターでの言動が批判されてるのもあると思うが)

私がこの朝ドラを好きなのは、先の読めない展開と、人生は失敗してもやり直せるというメッセージと、登場人物のセリフや行動がリアルだなと思えるからである。

人生は上手くいくことばかりではない。 鈴愛は漫画家になるが、自分の才能の無さに気づいて挫折する。 現実では夢を叶えたとしても、続けられない人も多いだろう。多くのドラマは夢を叶えて成功することを描いているが、このドラマは挫折を描くのだ。 その後も結婚するが、夫が映画監督になりたいと言って振られたり、会社に入るも倒産したり、発明の会社を立ち上げるも上手くいかなかったり、いろんな経験をし、遂には扇風機の発明をする。 漫画家時代に勉強したことが役立ったり、今まで経験したことが活かされる。それが人生だなぁと思う。今までの経験で無駄なことは何もないよ、人生は失敗してもいいんだよ、やりたいことをやるのに遅すぎることはないよ、と言われているようで嬉しくなる。 朝ドラというのは1人の人生を描くものだ。人生とは挫折や挑戦をくり返し、自分なりの生き方を見つけていくものなのだろう。それは自分の生き方が自由に選べる現代だからこそできることだ。 1人の人生には挫折も失敗もある。そのときは辛いと思っても、永い目で見ればあの経験は良かったと思うこともある。私は半分、青い。は、そういうことを描いている朝ドラだと思っている。鈴愛は不器用に生きている1人の人間であり、その人生を描いている。 鈴愛の性格については、今の時代はいい子でいれば上手くいく時代ではない。むしろ我慢強くていい子は心の病気になったりする時代である。 私はずっとワガママを言わず、怒ったりせず、周りの人に悪く思われないように行動し、自分のやりたいことも分からなくなった。そしてうつ病になった。 それからはなるべく周りのことを考えず、自分のやりたいことを少しずつやるようにして、感情を素直に出せるようにしてきた。そうやって自分を大事にして、自分の心を守ることが大事な時代なんだと思う。 「そんな人が増えたらみんながワガママになって大変なことになる」と言うのは杞憂で、今まで周りのことばかり考えてきた人が急に自分勝手になることはなく、周りを気にしすぎる人は自己中になるくらいでちょうどいい。 生きていくには逞しさと強さが必要なのだ。

鈴愛の性格や行動が素晴らしい、真似したいとは思わないが、鈴愛の強さは見習いたいところはある。鈴愛は平成のヒロインらしいヒロインなのではないだろうか。 半分、青い。が終わるまであと一週間。最後まで気の抜けないドラマだが、最後まで楽しみたい。